実話/タワマン引越しの現場から
42階の部屋に、
ソファが入らなかった。
念願のタワマン入居日。すべてが完璧なはずだった。エレベーターのドアが開いた、その瞬間までは。
落とし穴①
エレベーターに入らないソファ
タワマン購入。30階以上、眺望良好、駅近、最上位フロアに共用ラウンジ。僕が5年かけて貯めた頭金で手に入れた、人生の到達点だった。
引越し業者は、ネットで見つけた評判の良いところに頼んだ。見積もりは相場より少し高めだったが、「タワマン慣れしてます」という言葉で決めた。
当日、午前10時。作業員3人がやってきて、テキパキと荷物を運び込み始めた。順調だった。最後の一つ、以前から愛用していたイタリア製の三人掛けソファが残った。
そこで事件が起きた。
荷物用エレベーターに、ソファが入らない。
作業員が角度を変え、立てて、斜めにして、何度も試した。入らない。
ソファの梱包を剥いで、裸で押し込もうとした。入らない。エレベーターの内寸より、ソファの奥行きが12センチ大きかったのだ。
「お客様、これ、搬入不可です」
作業リーダーの言葉に、僕は立ち尽くした。30万円で買ったソファは、マンションの地下搬入口で、裸のまま置かれていた。
落とし穴②
エントランスまで500メートル
そのタワマンは、敷地が広かった。広すぎた。
引越しトラックは、指定された業者用駐車エリアにしか停められない。そこから建物のエントランスまで、実測で480メートルあった。
作業員が段ボールを抱えて、行きと帰りで1キロ近く歩く。それを荷物の数だけ繰り返す。
見積もり段階で、業者はこの距離を把握していなかった。彼らが想定していたのは「マンション前にトラックを停めて、10メートル運んでエレベーター」という通常パターンだった。
結果、作業は予定の2倍の時間がかかった。管理組合が指定したエレベーター占有時間(3時間)を大幅に超過した。
管理組合の担当者から、内線電話が入った。
「他の住戸からクレームが入っています。エレベーターが使えないと」
僕は謝り続けた。入居初日に、住人の誰かを怒らせてしまった。
落とし穴③
養生ルール違反、追加請求4万円
タワマンの共用部は、ホテルのロビーのように美しい。大理石の床、ガラスの壁、シャンデリア。その美しさが、引越し当日は全て「傷をつけてはならない領域」に変わる。
管理組合が定める養生範囲は、想像を遥かに超えていた。エントランスロビー全域、業者用通路全長、エレベーター内壁と床、自室前の廊下両側20メートル。ダンボールシートとキルトマットで、全て覆わなければならない。
僕が頼んだ業者は、標準的な養生セットしか用意していなかった。足りない。圧倒的に足りない。
管理組合の担当者がチェックに来て、こう言った。
「この状態では作業を開始させられません」
業者は急遽、追加の養生材を取り寄せた。そのコストが、後から請求書に乗ってきた。追加4万円。
見積もりは「込み込みです」と言われていた。でも、それは「普通のマンションの込み込み」だった。タワマンの養生要件を満たすには、全く足りなかったのだ。
落とし穴④
幹事会社の壁
後から知った話だが、新築タワマンには「幹事会社」という仕組みがある。
一斉入居を管理するため、販売会社が特定の引越し業者を幹事として指定する。入居者は、原則その幹事会社を通じて引越しをすることになる。幹事会社以外の業者を使うことは可能だが、スケジュール調整は幹事会社が仕切るため、希望日が通らないことが多い。
僕はこの仕組みを知らずに、自分で業者を選んでしまった。その結果、希望していた土曜日の午前は取れず、平日の午後という不利な時間帯に押し込まれた。平日の午後は、他の住戸の生活時間と重なる。クレームの温床だった。
もし幹事会社を使っていれば、もっとスムーズだった可能性がある。でも幹事会社は料金が割高な傾向があり、選択肢も限られる。
正解は、「幹事会社と非幹事会社の両方から見積もりを取り、条件を比較した上で、マンションのルールに詳しい業者を選ぶ」ことだった。
でも、そんなアドバイスをくれる相手は、僕の周りには誰もいなかった。
落とし穴⑤
タワマン経験ゼロの業者
後日、他のタワマン住人と話す機会があった。ベテランの住人は、僕が使った業者の名前を聞いて、こう言った。
「あそこ、タワマンの現場あまり慣れてないはずだよ」
そうだった。僕は「評判が良い引越し業者」を選んだだけで、「タワマン引越しの実績が豊富な業者」という基準で選んでいなかった。
タワマン引越しは、通常の引越しとは全く別物だ。エレベーターの寸法チェック、管理組合への申請書類、幹事会社との調整、養生範囲の把握、搬入経路の事前視察、駐車場の高さ制限確認、時間厳守の作業計画。
これらを全て自前で回せる業者と、そうでない業者では、当日の動き方が根本的に違う。
僕は、この選定を自分一人でやろうとしたのが間違いだった。
引越し業者の選定には、第三者の目が必要だ。それも、タワマンという特殊な物件の特性を理解した、プロの目が。
落とし穴⑥ にして、唯一の答え
コンシェルジュが間に入る、という選択肢
引越しから半年後、僕は会社の同僚が別のタワマンに引越すという話を聞いた。彼は、業者選びを「コンシェルジュ型サービス」に任せるという。
ラクっとNAVIというサービスだった。
仕組みを聞いて、これだ、と思った。
登録後、コンシェルジュから電話が入り、物件の詳細(築年数、総戸数、エレベーター仕様、管理組合ルールなど)をヒアリングされる。その上で、タワマン引越しの実績がある業者を、コンシェルジュ側で選定し、最大3社まで紹介してくれる。
一括見積もりサイトのように、登録直後に20社から一斉に電話がかかってくることもない。全てコンシェルジュが間に入り、条件に合わない業者は最初から除外される。
同僚の引越しは、僕のようなトラブルは一つも起きなかったと聞いた。
タワマン引越しに、自力で業者を選ぶのはリスクが高すぎる。これが、6つの落とし穴を全部踏み抜いた僕の、結論だ。
タワマン引越しを、失敗で終わらせないために
物件の特殊性を理解したコンシェルジュが、間に入る。
ラクっとNAVIは、コンシェルジュが物件条件をヒアリングし、最適な業者を選定・調整してくれるサービスです。タワマン引越しのようにルールが複雑で、業者選定に失敗すると取り返しのつかない案件では、専門家が間に入る価値は大きいと思います。僕のように6つの落とし穴を全部踏み抜きたくない方は、一度検討してみてください。
ラクっとNAVIの公式サイトを見る
※当サイトはアフィリエイトプログラムに参加しています。記事内容は実体験およびタワマン住人への取材を元に構成しています。
よくある質問
タワマン引越しで、幹事会社を使わない選択はアリですか?
物件によります。新築タワマンの一斉入居期間中は、幹事会社経由が圧倒的にスムーズです。中古タワマンへの引越しなら、幹事会社の制約は基本的にありません。ただしどちらの場合も、管理組合のルールに精通した業者を選ぶことが最優先です。
大型家具が入らなかった場合、どうすればいいですか?
選択肢は3つです。①解体できる家具なら分解して搬入、②どうしても入らない場合は売却・譲渡・廃棄、③クレーン吊り上げ(ただしタワマン高層階ではほぼ不可能)。最善策は、引越し前にエレベーター内寸と家具サイズを厳密に比較し、入らない家具は事前に判断することです。
タワマン経験豊富な業者を、どう見分ければいいですか?
個人で見分けるのは困難です。Webサイトの実績紹介は信頼しにくく、口コミも物件ごとに事情が違います。現実的には、コンシェルジュ型サービスに物件条件を伝え、その条件に合う業者を紹介してもらう方が確実です。